前のお話で、境界が外に持っているグローバルIPがひとつしかない場面でも、ポートと いう第2の番号で対応表の行を分ければ、内側に大勢いる端末を多対1で外に乗せられる ことを腹に置いた。あなたの手元には『ひとつのグローバルIPに大勢が乗れるのは、ポート で行を見分けられるから』の 1 行が残った。
けれど、お話の最後にも渇りが残っていた。1 つの通信の中で、住所がいくつも動いている。 内側のIP、境界の外側のグローバルIP、外のサーバの住所、行きで書き換えた住所、応答で 書き戻る住所。対応表の各行を読むときに、これらの住所はどう整理して読めばいいのだろう。
実機で show ip nat translations を叩くと、画面には 4 つの列が並んでいる。Inside Local / Inside Global / Outside Local / Outside Global。最初は記号と数字の塊にしか見えない 4 列に、本話で正面から向き合う。
そこで見えてくるのは、住所には「どこにいるか」と「どこから見たか」という 2 つの軸が あって、その 2 軸の直積で 4 つの顔ができる、という素朴な構造。軸が見えれば、4 列は 機械的に並ぶ。